初観測された深海に住むアンコウの繁殖行動がナゾすぎる!

 ヒレナガチョウチンアンコウ科のCaulophryne jordaniという魚で数百〜数千メートルの深海に住んでいて野生の姿を撮影することもなかなか出来ないほど珍しい魚なのですがこの魚の生物写真家のKirsten & Joachim Jakobsen夫妻によって繁殖行動が史上初めて観察されました。

これがその魚です↓ 

f:id:tvwarotan:20180328042202p:plain

深海屋ブログ より引用


 

しかしその史上初めて観測された繁殖行動はとても奇妙でした 。

↓こちらがその動画です。


First footage of deep-sea anglerfish pair


 

 身体の大きなのがメスで、その下にひっついている小さいのがオスです。メスから生えている白く長細いものは鰭条(きじょう)というもので光を出しています。これが危険の察知や獲物確保のために周囲を感知するのに役立つと考えられています。動画でこの魚が全然動いていないのはエサが少ない環境に生きているのでなるべくエネルギーを消費しないようにするためです。それでもメスはエサの存在を察知すると、目標の方向に突然突進するのだそうです。オスは、メスの循環系から貴重な栄養素をもらうかわりに、メスの産卵準備が整ったときに精子を差し出します。

 

Kirsten & Joachim Jakobsen夫妻がこの2匹の魚たちに遭遇したのは、サンジョルジェ島の南側水深800メートル地点でのことで、Rebikoff-Niggeler Foundationを代表し、アゾレス諸島近郊を潜水艦で探索していた時でした。潜水艦「Lula1000」の約1m長ある窓から撮影に挑んだそうです。

 

その後ワシントン大学の深海魚研究者Ted Pietschさんに映像を送り、野生のアンコウ「Caulophryne jordani」であることを確認。同氏は「私は人生を捧げて研究をしてきましたが、このようなものを見るのは初めてです」とサイエンス紙にコメントを残しています。